今年の花粉飛散予測は?
今年も花粉症の季節がやって参りました。
より敏感な人は2月ごろから症状が出始めている人もおられるようです。
花粉症の症状は、花粉の飛散量の多さに比例します。
夏にスギやヒノキの生育が良いと花粉も多く飛散してしまうので、花粉症の人にとっては辛い年となってしまいます。
では、今年の花粉の飛散予測はどうなっているのでしょうか?
様々な団体が飛散予測は出しているのですが、ここでは日本気象協会の予測を見てみます。
こちらは、例年との比較です。
北海道・東北をはじめとして東日本は例年よりやや少なめ、
西日本は例年より多めの飛散予測となっています。
特に西日本は昨夏の猛暑でスギやヒノキの生育が良かったためと考えられます。
昨年の飛散量と比較するとこうなります。
傾向がよりはっきりと西高東低に出ています。
西日本は昨年、一昨年と飛散量が少なかったと言われているので、
最近症状が軽かった方も今年は注意が必要と言えるでしょう。
症状が出る前に初期治療を行った方が、症状がでてからも軽く済みますし、
症状がピークとなる3月~4月にかけては耳鼻科も混み合います。
花粉症の方(特に西日本の方)はぜひ早めの対処をお勧めします。
北九州市のソウルフード
今日は、久々のグルメ情報といきます。
北九州市には、ソウルフードとして「シロヤ」のパン、「揚子江」の豚まんが対外的にも有名ですが、今回紹介する「オー・シー・エム」のサンドイッチも地元では大人気です。
立地は小倉駅から徒歩で約7分ほど。
チキンやツナ、ポテトサラダなど様々な具材から2つ選んで注文します。
それぞれの具材ごとに値段がついており、2つ選んだうちの高い方の金額を支払うというユニークなシステムです。
今回注文したのはツナ&ベーコンにコーンクリームスープ。
値段はこのボリュームでサンドイッチが500円ほど、スープが400円弱でした。
持ち帰りも可能です。
お昼時になると行列ができますが、さすがに慣れているのか手際も良いのでそんなに待たずに購入できます。
具材もそうですが、特にパンが美味しい。
ぜひ一度食べてみてほしい味です。
サンドイッチファクトリー・オー・シー・エム
福岡県北九州市小倉北区船場町3-6 近藤別館2階
https://tabelog.com/fukuoka/A4004/A400401/40000769/
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最近増えた配合剤
ここ10年くらいでしょうか、既存の薬を組み合わせた配合剤が一気に増えております。
特に、高血圧・糖尿病などの生活習慣病領域で増えています。
たとえば現時点で高血圧薬で13種類、糖尿病薬で6種類もの配合剤が発売されております。
配合剤のメリットは、服薬剤数を減らせることに加え薬価が安く算定されていることもあります。
高血圧の配合剤であるレザルタス配合錠HDはオルメテック、カルブロックという薬の配合剤なのですが、
オルメテック20mg+カルブロック16mg=112.8円+57.6円=170.4円
レザルタス配合錠HD=138.3円
となり、30円ほどお得となります。
配合剤に変えることで患者さんの自己負担も安くなるケースは多いでしょう。
また、奇妙な話ですが、ザクラスというアジルバとアムロジピンの合剤に関しては、
ザクラスHD131.6円、アジルバ139.8円と単剤の方が配合剤よりも高いという現象まで起こっています。
デメリットは用量調整がしにくい、副作用が起きたときの原因がはっきりしない、数が多すぎて配合剤の名前を聞いても何と何の合剤なのかわかりにくい、などがあります。
製薬メーカーの立場から言えば、配合剤は単剤のジェネリック対策という側面が強いです。
配合剤に切り替えてもらうことで、少しでも特許期間を延ばしたいと考えています。
患者さんにとっても、配合剤は上手く活用すれば服用剤数が減り、金銭負担も軽くなります。
今後ともたくさんの配合剤が発売されていくでしょう。
新薬は2週間処方
「この薬は新しい薬ですので、2週間分しか処方できません」と言われた経験はないでしょうか?
通常、薬は麻薬・向精神薬を除いては処方制限はありません。
30日分や60日分を処方してもらうことが一般的ですが、極端な話、半年分や1年分処方してもらっても構わないのです。
しかし、例外もあって、発売されて1年以内の新薬に限っては安全性を担保する観点から2週間の処方制限がかかっています。
2週間に1度診察を受けてもらうことで、安全性を医師に確認してもらうのです。
類似品が出ている新薬も同様です。
現在は、慢性疾患であればクリニックでも30日処方、大病院だと60~90日処方が主流となっているので2週間制限のある薬は画期的でない限りほとんど使われません。
結果として、新薬を非専門医が発売と同時に大量に使うことに歯止めをかけています。
MRとしては新薬を売ることが評価される近道なのですが、この2週間制限のため売れないので1年間はもどかしい思いをすることになります。
以前は既存の成分を組み合わせた配合剤も2週間制限の対象でしたが、現在は配合剤はこの2週間制限の対象とはなっていません。
しかし、面白い現象も起こっています。
糖尿病の薬で、既存薬であるDPP-4阻害薬+メトホルミンを組み合わせた配合剤が2種類発売されています。
エクメット配合錠とイニシンク配合錠です。
このうちイニシンク配合錠だけが2週間処方の対象となってしまっています。
なぜなのか。
エクメット配合錠は1日2回服用するエクアとメトホルミンの合剤なので用法用量も変わりません。
一方、イニシンク配合錠は1日1回服用のネシーナと1日2回服用のメトホルミンの合剤で、用法用量は1日1回でも可能となっています。
本来メトホルミンは1日2回~の服用回数となっており、配合剤にすることにより用法用量が変化しているため、安全性を担保しないといけないということになり、2週間制限の対象となってしまったのです。
う~ん、理屈は分からないではないですが、ややこしいことをしているなあと思いますね。
平和主義者・オバマ大統領
あけましておめでとうございます。
当ブログをお読みになっていただいている方、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
本年も医療関係の話を中心に更新していきますが、今回は全く関係ない話をします。
年初の大きなニュースと言えば米・トランプ大統領の就任です。
賛否両論ありますが、私は不安を覚える一人です。
このトランプ就任の前に言っておきたいのは、オバマ大統領は想像以上に偉大な大統領であったのではないかということです。
その代表的な出来事だったのが昨年の広島訪問です。
演説原稿は官僚の方たちが作成しているのかもしれませんし、
私は英語もわかりませんが平和記念公園の前で行ったこの演説は非常に心を打たれます。
現実世界の前で核廃絶は困難な道かもしれませんが、
少なくともこの大統領は本心からこの演説を読み上げたのだろうということが伝わってきました。
一人でも多くの方にこの演説を聞いてほしいと思います。
そして、我々一人ひとりも科学の進歩に負けない人間の道徳の進歩を心に刻みたいものです。
財前先生と里見先生
本日が今年最後の更新となります。
今年5月から始めた当ブログですが、85人もの読者登録をいただきました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
最後の話題はドラマ「白い巨塔」の考えさせられる1シーンについて書いてみたいと思います。
白い巨塔は小説やテレビドラマでご存知の方も多いでしょう。
主人公の財前先生と里見先生は同期だが、考え方やタイプが異なります。
財前先生は腕は良い外科医だが野心家で患者さんよりも自分の出世を優先する、里見先生は面倒見の良い内科医であくまでも患者さん中心の医療を常に考えている、という設定です(そんなに単純じゃない面もありますが・・・)。
そんな財前先生と里見先生が議論し合った第1話のシーンを振り返ってみます。
里見先生が受け持っているがん患者に外科医である財前先生が告知をします。
里見先生は患者にはまだがんであることを告知していないし、手術にも恐怖心をいだいているので、慎重に告知をしてほしいと財前先生に依頼。
しかし、財前先生は患者にあっさりと「がんですね、がんですから手術です」と伝えてしまいます。そして、「まだ早期です。自分が責任を持って手術しますから絶対大丈夫です。」と伝え、結果的には患者を納得させます。
これに里見先生が激怒して、言い合いとなるのが以下のシーンです。
里見先生:おい財前、一体どういうつもりだ!前もって告知は慎重にやってくれと言っ
たはずじゃないか!
財前先生:慎重に考えて告知をしたつもりだが。
里見先生:どこが慎重なんだ!
財前先生:里見、がんはがんだ。治癒しうる。告知を渋る時代じゃないよ。
里見先生:それは外科医の傲慢だ。人間は悪いところを取り去れば元気になるわけでは
ないだろう。患者の痛みや不安にアプローチしなければ真の治療とは言えな
いんじゃないか。
それに…、なぜオペをすれば大丈夫と断言した?転移がわからない段階で無
責任じゃないか!
財前先生:転移の可能性は極めて低い。そもそも直せないかもしれないという患者に自
分の命を預ける患者がいるのか?現に彼女は僕の言葉によってがんを受け入
れた。手術を受ける勇気を持てたじゃないか。インフォームドコンセントな
どといって患者に媚を売るより絶対に大丈夫という一言の方が患者は安心す
るものだ。
里見先生:医者は神様じゃない。患者と同じ人間だ。
一般的には里見先生に同調される意見が多いでしょう。
しかし、財前先生のように絶対大丈夫と言い切る先生を求める患者が多いのも事実です。現場では、そんな先生の方が患者を集めているような気がします。
いろんなシーンで考えさせられる名ドラマですね。
医薬品販売の商習慣
今回は医薬品の独特といえる販売方法について取り上げてみたいと思います。
一部例外はありますが、通常の取引では医薬品は医薬品卸を通して医療機関に納入されます。
製薬メーカーが医療機関に直販するわけではないというのが日本独特と言われており、欧米ではメーカーからの直販が主流だそうです。
昔は医薬品卸は特定の製薬メーカーの商品しか扱わない場合が多く、その分卸会社も数多くありましたが、現在は合併が進んで集約化されており多くの製薬メーカーの商品をたくさん揃えている卸がほとんどです。
製薬会社から見ても最大手の武田薬品のように特定の卸に対してしか商品を供給しないというところは少数派で、どの卸とも付き合う製薬メーカーの方が多くなっています。
ですから、製薬会社の営業職であるMRは、医療機関に訪問するわけですが、商品自体を持っていくわけではありません。
情報を提供することで、自社医薬品を処方してもらうという目的で訪問するのです。
もちろん医薬品卸の営業担当者(MSと言います)もいて、医療機関に訪問するわけですが、商品の納入とともに医薬品情報を提供しますが、いかんせん扱っている商品が多すぎるので、詳細な情報提供はそれぞれのMRが行うことが一般的です。
最後に医療機関への納入価格は、卸と医療機関による交渉によって決定されます。
つまり、MRは営業とは言っても価格交渉は行えないということになります。
価格交渉は他の商売同様シビアな仕事なので、その分楽をしているともいえるわけですが、卸からの納入価格が折り合わずに自社品が納入されないということは当然起こりえます。
MRにとって自社品を納入してもらえるかは死活問題なので、しっかり交渉してもらえるようMSにも気を使わないといけません。
ただし、最近は調剤薬局が主流となっていることもあり医薬品の処方元である医療機関(医師)に対して力を持つMSが少なくなっているため、MRが卸に気を使うことは以前ほどはないかなあというのが現場の実感です。