医療・疾患

B型肝炎ワクチン定期接種へ

本日より更新を再開させていただきます。 引き続きお付き合い、よろしくお願いいたします。 今回は、ワクチンの話題から。 乳児(生後1年まで)のみが対象ではありますが、任意接種だったB型肝炎ワクチンが今年の10月より定期接種となることが決定しておりま…

血清クレアチニン値「血清Cr」とは

診察や健康診断を受けると検査値の表をもらいます。 ほとんどの検査項目がアルファベットで表記されているので、説明を受けないと何がなんだかわからない方が多いのではないでしょうか。 MRでもよくわかっていない方が大勢いますので。 今回は、そんな検査項…

抗がん剤1剤で年間2兆円??

今回は、抗がん剤の新薬を取り上げます。 最近、一般紙やテレビでも広く取り上げられていますので、聞いたことがある方もけっこういらっしゃるかと思います。 その薬は「オプジーボ」。 小野薬品とブリストルマイヤーズ社が共同で販売しています。 免疫チェ…

コレステロールは摂取制限しなくても良い

高コレステロール関連の更新が続いてますので、本日も関連の話題を。 高コレステロール血症の患者さんで、コレステロールが多く含まれる卵や魚卵、レバーなどを控えるように、との指導を受けられた方も多いのではないでしょうか。 未だにこのような指導をさ…

高コレステロール血症の切り札となるか・PCSK9阻害薬

前回の更新で取り上げた「家族性高コレステロール血症」の適応を持った新薬についてご紹介させていただきたいと思います。 「PCSK9阻害薬」という種類の薬で、現時点では「レパーサ」が発売になっており、「プラルエント」がまもなく発売予定という状況です…

家族性高コレステロール血症

現在の医療で、高コレステロール血症とは、総コレステロール(TC)が高い状態ではなく、悪玉コレステロールと言われるLDL-コレステロールが高い状態のことを指します。 健康診断などでは140㎎/dl以上であれば高コレステロール血症と診断されてしまいます。 …

子宮頸がんワクチン一斉提訴

子宮頸がんワクチンを接種し、健康被害を受けたとして63人の女性が国と製薬会社2社(グラスソスミスクライン社、MSD社)を訴えて、集団提訴したニュースが入ってきました。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160728-00010001-nishinp-soci 今日はこのニ…

糖尿病治療薬・アクトス

このブログでは数々の糖尿病治療薬について取り上げてきましたが、今回はまだ取り上げたことがないアクトスについて書いていきます。 アクトスはチアゾリジン誘導体と呼ばれるタイプの薬です。 このタイプに属するのはアクトスしかありません。 これまで取り…

基本的には眉唾記事だが・・・②

前回に引き続き週刊現代(6月11日号)に掲載された記事 「ダマされるな! 医者に出されても飲み続けてはいけない薬」 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48812?page=8 について、今回も取り上げます。 記事に対して否定的な私ですが、納得できる指摘が…

基本的には眉唾記事だが・・・①

前回の更新で取り上げた週刊現代(6月11日号)に掲載された記事 「ダマされるな! 医者に出されても飲み続けてはいけない薬」 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48812?page=8 について、 基本的には眉唾ものだというのが私の認識ですが、 納得できる…

飲み続けてはいけない薬リスト

先週発売の週刊文春7月21日号に先月週刊現代(6月11日号)に掲載された記事「ダマされるな! 医者に出されても飲み続けてはいけない薬」 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48812?page=8 に対する反論記事が掲載されておりました。 gendai.ismedia.…

糖尿病性神経障害・疼痛の治療

以前も更新した、糖尿病性神経障害について取り上げます。 神経障害の成因に関わる薬はキネダックという昔からある薬だけなのですが、 神経障害から起こる疼痛への治療薬は最近選択肢が増えてきております。 通常痛みを訴える患者さんにはボルタレンやロキソ…

糖尿病・DPP-4阻害薬とSU薬の併用

以前の更新でも紹介したDPP-4阻害薬。 http://frontia.hatenablog.com/entry/2016/06/09/215037 ある程度の効果が期待できるのに、低血糖の副作用が少ないということで、現在は糖尿病治療薬の主流となっている薬剤です。 しかし、ここには「単独で使用した場…

糖尿病・SU薬について改めて考える

糖尿病治療薬として古くから使われている薬としてSU薬があります。 初めてのSU薬が発売されたのが1956年ですから、60年の歴史がある薬です。 膵臓からのインスリン分泌を促すことで血糖値を下げる薬ですが、約20年前までは主流で使われており、様々…

糖尿病性神経障害の治療・キネダック

今回は前回取り上げた糖尿病性神経障害の治療について更新します。 まず糖尿病性神経障害の治療の前提は、高血糖を是正することが前提です。 つまり血糖値を下げることが神経障害の治療にもつながります。 その上で、糖尿病性神経障害の成因を抑える唯一の薬…

糖尿病性神経障害・簡易診断基準

糖尿病は様々な合併症があるのが厄介な疾患ですが、3大合併症と言われるのが網膜症・腎症・神経障害です。 その中でも神経障害について今回は取り上げます。 最終的には、足壊疽を起し、足切断をまねくほどの合併症なのですが、血液や尿などの検査では反映…

パップ剤とテープ剤

先週の更新で湿布薬の処方制限について取り上げました。 湿布薬の中には「~パップ」と「~テープ」の2種類があります。 一般には違いは知られていないと思いますので、ご説明をさせていただきます。 簡単にいえばパップ剤は水溶性、テープ剤は脂溶性という…

高齢者糖尿病のコントロール目標値

医師たちが治療の参考に用いるガイドラインは各疾患ごとに数多くあります。 糖尿病も例外ではなく、「糖尿病治療ガイド」が発行されております。 定期的に改訂を重ねているのですが、今年もこの「糖尿病治療ガイド」が改訂されました。 今回の改訂で新たに加…

実は最強の糖尿病治療薬!?、ビグアナイド薬

どの業界の製品であっても、新しく発売されたものほど優れた製品であるのが一般的です。 どんどん改良を重ねていくわけですから当たり前ですね。 製薬業界ももちろん例外ではありません。 しかし、糖尿病治療薬の中には古い薬なのに、最近売上がどんどん伸び…

飲めれば良い薬だが・・αグルコシターゼ阻害薬

今回も糖尿病の薬について更新します。 今回はαグルコシターゼ阻害薬(αーGI)。 この薬は、主に食後の高血糖を抑える薬です。 主な薬剤は、グルコバイ・ベイスン・セイブルとなります。 詳しく解説をしてみます。 食事によって摂取された炭水化物は唾液や…

逆転の発想・SGLT2阻害薬

糖尿病は読んで字のごとく尿から糖分が出るほど血糖値が高いという病態です。 尿糖検査は、糖尿病の大事な検査の一つで、尿糖が陽性だと糖尿病が進んでいる状態と判断されてしまいます。 血液中に取り込めないほど糖が溢れすぎて結果として尿からも糖が検出…

糖尿病治療を変えた薬・DPP-4阻害薬②

前回に引き続きDPP-4阻害薬について書きます。 DPP-4阻害薬が支持されている理由は、ある程度効果が期待できるのに副作用が少ないという特徴があるためです。 今回は既存の糖尿病治療薬であるSU薬(アマリールなど)との比較で考えてみたいと思います。 S…

糖尿病治療を変えた薬・DPP-4阻害薬①

近年、製薬会社がこぞって力を入れている糖尿病領域ですが、 きっかけとなった薬が2009年~発売されているDPP-4阻害薬という薬です。 発売以来、有用性が評価されて爆発的に使われるようになった薬で、売れるものですから製薬会社が競うように同種品を発売し…

1日の血糖変動を把握する

血糖値は空腹時血糖値やHbA1cだけで管理するのは不十分、 血糖の変動も考慮する時代だと以前の更新で書きました。 その血糖変動を正確に測定できる機械があることをご存知でしょうか? それは持続血糖モニター(CGM)という以下の機械です。 ご覧のように腹…

血糖値管理は量から質の時代へ

前回の更新時に紹介したグラフです。 症例1と症例2は同じHbA1cですが、血糖変動が小さい症例2の方が望ましいという話をさせていただきました。 今回はもう少し掘り下げてみたいと思います。 糖尿病治療中の方は、主にHbA1c、空腹時血糖値の他に食後2時間…

同じHbA1cでも・・

糖尿病の代表的な検査値であるHbA1cについて考えてみたいと思います。 HbA1c=ヘモグロビンエーワンシーと読みます。 正常値は4.6~6.2%で、糖尿病治療中の方はだいたい7.0%以下を目指すことになっています。 ヘモグロビンとは赤血球中にある酸素を運搬する…

糖尿病治療の現状

最近、糖尿病は医療業界でも注目されている疾患の一つです。 糖尿病は代表的な生活習慣病。 皆さんの想像通り、生活習慣の乱れから糖尿病に罹る人は右肩上がりで増えています。 ここで、糖尿病専門医のグループがまとめたデータを以下に紹介します。 糖尿病…