実は最強の糖尿病治療薬!?、ビグアナイド薬

どの業界の製品であっても、新しく発売されたものほど優れた製品であるのが一般的です。

どんどん改良を重ねていくわけですから当たり前ですね。

製薬業界ももちろん例外ではありません。

 

しかし、糖尿病治療薬の中には古い薬なのに、最近売上がどんどん伸びている製品があります。

それが今回紹介する、ビグアナイド薬(製品名:メトグルコ)です。

メトグルコの作用は多岐にわたります。

まだまだ不明な点も多い薬ですが、主な作用は以下のようになってます。

①肝臓の糖新生を抑制

②肝臓や骨格筋でのインスリン取り込みを改善

③食欲抑制

などとなっています。

この他にも、脂質改善、動脈硬化抑制やがん抑制作用まであると言われています。

そして、低血糖も非常に起こりにくいといわれている薬です。

 

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これほどの効果が期待できるビグアナイド薬ですが、

実は発売はかなり古く1954年、代表的なビグアナイド薬であるメトグルコ(当時はメルビンという製品名でしたが、成分は同じです)でも1961年です。

このビグアナイド薬には乳酸アシドーシスという重大な副作用が起こることがあります。致死率の高い副作用です。

この副作用のために以前は使用頻度が低かったのです。

しかし、最近ではメトグルコであれば発症頻度はかなり低いこと、高齢者や腎機能・肝機能低下患者さんに使用を避けることでリスクが減らせること、古い薬なので薬価が安いこと、が医師の間でも浸透してきており古い薬にも関わらず売上を伸ばしている製品となっています。

 

余談ですが、製薬会社は新しい薬の販売に力を入れます。

新薬は薬価が高いので、古い薬と比べて儲け幅が格段に違うからです。

MRの評価も新薬どれだけ使ってもらうかにかかっています。

ですので、このビグアナイド薬に関しては製薬会社はほとんどPRを行っておりません。

それでも売れているこのような製品こそ真に医師から評価をされている薬と言えるでしょう。