講演会という名の宣伝

前回の更新でもお話ししたように最近は接待がほとんどありません。

では、MRは単に病院訪問だけで宣伝を行っているのかというとそうではありません。

その一つの手法が講演会です。

 

各製薬会社は、主催もしくは医師会との共催で講演会を頻繁に行っております。

地域の有名ホテルをのぞいてみたら、毎日のように製薬会社の名前が入った講演会が実施されています。

この講演会にかかる費用は、全額製薬会社が持ちます。

会場代だけでなく、参加者の会場までのタクシー券代、座長や講師への謝礼金・および交通費、場合によっては立食形式の懇親会代までかかります。

100名超規模の講演会であれば150万円~200万円くらいかかるでしょうか。

f:id:frontia:20160621144457j:plain

 

 

この講演会は表向き中立的な立場で医療情報を提供することになっているのですが、

製薬会社も営利企業ですから当然見返りを求めて実施します。

講演会の講師に自社の薬を宣伝してもらえるように依頼をするのです。

講師になるような大学病院の教授や大病院の部長クラスの先生には製薬会社も優秀な担当者をつけますので、しっかりと打ち合わせがされているはずです。

逆に言えばその擦り込みができないような担当者であれば無能扱いされかねません。

MRがコツコツ宣伝するよりも名のある先生から薬を宣伝してもらった方が参加する医師に対して当然説得力があるので、講演会に参加してもらうことで自社の薬の売上増が見込めるのです。

 

ただ、講演会の機会を利用して医師同士の情報交換が行われているのも事実。

現在はやりすぎかもしれませんが、地域医療にとって役に立っている面もあることは付け加えておきます。