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高齢者糖尿病のコントロール目標値

医師たちが治療の参考に用いるガイドラインは各疾患ごとに数多くあります。

糖尿病も例外ではなく、「糖尿病治療ガイド」が発行されております。

定期的に改訂を重ねているのですが、今年もこの「糖尿病治療ガイド」が改訂されました。

今回の改訂で新たに加わったポイントについて、解説をしたいと思います。

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高齢者糖尿病(65歳以上を対象)の治療目標値が示されたのが特徴です。

目標値はHbA1cで示されており、今までは病態に合わせて6.0%、7.0%、8.0%とされていました。

今回は高齢者は別に目標値を設定しようという試みがなされました。

 

以下の表をみていただきたいと思います。

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 まず、患者さんの状態をカテゴリー別に分けて(カテゴリーⅢが最も重症)、そこに治療目標値を設定しています。

特に重症低血糖が危惧される薬剤(SU薬など)が入っている患者さんには下限値を設けたのが特徴的です。

 

つまりは、低血糖を起こすくらいなら多少高血糖でも構いませんよというメッセージが込められています。

このブログでも様々な薬剤を紹介してきましたが、

特に75歳以上の方にはビグアナイド薬、SGLT2阻害薬は使えません。

DPP-4阻害薬や(飲めれば)α-GI薬を使うことになりますが、

それでもコントロール不十分な方には、重症低血糖が危惧されるSU薬やインスリン注射が使われることも臨床現場では結構多いのです。

今回の改定では、無理にコントロールしなくても大丈夫、というふうになりましたので、今後は高齢者への血糖コントロールを甘くする医師が出てくるでしょう。

しかし、それは決して手抜きした治療をしているのではないのです。