糖尿病・SU薬について改めて考える

糖尿病治療薬として古くから使われている薬としてSU薬があります。

初めてのSU薬が発売されたのが1956年ですから、60年の歴史がある薬です。

膵臓からのインスリン分泌を促すことで血糖値を下げる薬ですが、約20年前までは主流で使われており、様々な糖尿病治療薬が登場している現在でも服用されている患者さんは非常に多いと思われます。

現在使われている薬剤は、オイグルコン、ダオニール、アマリール、グリミクロンがあります。

 

この薬はインスリン分泌が少ないといわれる日本人には適していると言われ、効果が非常に高い反面、低血糖の副作用が起こるのが欠点です。

その理由は食事の影響など関係なく、インスリン分泌を促してしまうからです。

言わば膵臓にムチを打ち続けているような状態。

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体調がすぐれないなどで食事を抜いてしまったときにSU薬だけしっかり飲んでしまうと低血糖が起こってしまい、最悪死に至るケースがありますので、かなり注意が必要です。

 

それぞれのSU薬の違いについて簡単にまとめてみます。(私見込み)

オイグルコン・ダオニール:効果が強い反面、低血糖の懸念が強い。

             心血管イベントを上昇させるとも言われ推奨されない。

アマリール:効果は比較的強い。低用量で使えば有用。

      市場で最も使われているSU薬である。

グリミクロン:作用時間が短く、効果は比較的弱い。

       低血糖の懸念は比較的少ないと言える。

 

SU薬は昔は、単独で使われるケースも多かったのですが、現在は他の糖尿病治療薬との併用でほぼ使われています。

比較的効果が弱くても低血糖の懸念が少ないグリミクロンはもっと使われて良い薬でしょう。

次回の更新では、今最も使われている糖尿病治療薬であるDPP-4阻害薬との併用について、書いてみたいと思います。