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糖尿病治療薬・アクトス

このブログでは数々の糖尿病治療薬について取り上げてきましたが、今回はまだ取り上げたことがないアクトスについて書いていきます。

 

アクトスはチアゾリジン誘導体と呼ばれるタイプの薬です。

このタイプに属するのはアクトスしかありません。

これまで取り上げてきたDPP-4阻害薬やSGLT2阻害薬は覚えきれないくらいたくさん薬があるのですが・・。

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アクトスの発売は、1999年。

当時は、糖尿病治療薬は今ほど種類が多くないので、新しい機序の薬として注目を集めました。

アクトスは、インスリン抵抗性改善薬と呼ばれます。

インスリンとは血糖値を下げるホルモン。

アクトスは、インスリンの分泌を促すのではなく、元々分泌されているインスリンの働きを高めることで、血糖値を下げます。

血糖値を下げるだけでなく内臓脂肪を減少させ、脂質も改善が期待できます。

インスリンの分泌は促さないので、血糖値を下げすぎる低血糖の懸念が少ないのは使いやすいポイントです。

そして、アクトスを使うことで心筋梗塞や脳卒中のリスクが下がるというデータ発表されたことで処方量がグンと伸びました。

販売しているのは製薬最大手の武田薬品ですが、主力製品の一つとして成功させたのです。

 

しかし、この薬にも問題点はあります。

まずは、体重が増加するケースが多いこと。

アクトスは内臓脂肪は減らすのですが、皮下脂肪は増やしてしまうため、食事などが乱れるとすぐに体重が増加してしまうのです。

また、浮腫が起きやすく、特に女性は骨折リスクが高まるといわれます。

 

さらに最近になって長期間使っていると男性の膀胱がんを増加させるという報告が海外で出されました。

この膀胱がんを増加させるかどうかについては、そうでもないという報告も同時に出されているので、断定はできません。

 

しかし、この報告の後、アクトスの処方は激減することになります。

この膀胱がんの報告が出されたのが、2011年。

そのころには、DPP-4阻害薬がだいぶ普及している時期ですし、肝心のアクトスも特許が切れて後発品も発売されていたため武田薬品の宣伝活動にも力が入っていないこともあり、医師が新規で使うことが減ったためと考えられます。

 

 症例は選ぶ必要はありますが、今でも有用性の高い薬であるとは言えるでしょう。