糖尿病・注射薬の現状

前回の更新で、注射薬であるGLP-1受容体作動薬について取り上げました。

今回は、そのGLP-1受容体作動薬の一つであるトルリシティについて注射薬の進歩の観点から書いてみたいと思います。

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トルリシティは、昨年の9月ごろに発売されたばかりの新しい薬です。

注射薬ですが、投与回数は週1回で済む利点とともに注射器もインスリンを含む糖尿病用注射薬で初めて自動注入器(オートインジェクター)を採用している点が特徴です。

オートインジェクターでは、注射針は元々注入器に取り付けられており、注入ボタンを押すことで自動的に注射針が皮下にささり、あらかじめ1回量が充填されている薬液が注入されます。注射が完了したら注射針が注入器の中に自動的に戻ります。今までの注射薬は、患者自身が薬剤を溶解したり、用量を設定したり、注射針を取り扱ったりする必要がありましたが、オートインジェクターにはその必要がありません。また、自己注射中に注射針も見えません。

 

以下に使い方の手順を示します。

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操作が簡単になったため、患者さんの負担は減ることになるでしょう。

 

ちなみに正式名は「トルリシティ皮下注0.75㎎アテオス」と言いますが、

「アテオス」とは「当てて押す」という意味だそうです。