薬価改定について
先日の更新で、オプジーボというがんの薬の薬価が緊急的に半額に切り下げられるという話を更新しました。
http://frontia.hatenablog.com/entry/2016/11/20/235526
今日はそれに関連して、一般の人には馴染みが薄い薬価改定の仕組みについて書きます。
通常、薬価改定は2年に1度行われます。
特例的な薬価引き下げを除けば、卸が医療機関や調剤薬局に薬を納入する際の価格(市場実勢価格)を調査し、その価格の加重平均値に消費税と調整幅2%をプラスして新薬価が決まります。
そもそも薬は「医薬品メーカー⇒卸⇒医療機関・調剤薬局⇒患者」という流通ルートとなります。
国が決めている薬価はあくまでも医療機関・調剤薬局から患者に対して提供される際の価格のことであり、卸から医療機関・調剤薬局に納入される価格は価格交渉によって決定されます。
通常は消費税抜きで薬価の85%~90%で納入されることが多くなっています。
この価格を厚生労働省が抜き打ち的にサンプル調査を行って、いわゆる市場実勢価格として、次回の薬価改定の参考値となるという仕組みです。
納入価格が薬価より高くなることはありえないので、普通は薬価は引き下げられます。
製薬会社にとって問題はどの程度引き下げられるか。
安売りをしている薬は次回の薬価改定で薬価を大きく引き下げられるので、薬の売り上げはよりダウンしてしまいます。
ですので、製薬会社は卸さんに出来るだけ高く売ってもらいたいと思っているのですが、一方で競争が激しい分野の薬は医療機関が求める納入価の値下げを受け入れないとライバル会社に取られてしまいます。
昔は納入価をどんどん下げていく傾向が強かったのですが、最近は厚生労働省の方針も影響し、納入価はできるだけ高くしようという流れにはなっています。