血糖値管理は量から質の時代へ

f:id:frontia:20160602001932p:plain

前回の更新時に紹介したグラフです。

症例1と症例2は同じHbA1cですが、血糖変動が小さい症例2の方が望ましいという話をさせていただきました。

今回はもう少し掘り下げてみたいと思います。

 

糖尿病治療中の方は、主にHbA1c、空腹時血糖値の他に食後2時間血糖値を測る場合があります。

厳密には空腹時に75gのブドウ糖を飲んでいただきその2時間後に血糖値を測定するのですが、検査に少なくとも2時間かかってしまうので食事の2時間後に採血を行って血糖値を測定する方法で代替する場合もあるようです。

食後2時間血糖値をなぜ測るのかというと、

①糖尿病の初期は、HbA1cが正常でも食後2時間血糖値が高い

②食後2時間血糖値が高いと心血管イベントや動脈硬化進展の危険因子となる

③食後2時間血糖値が高い状態は、糖毒性により糖尿病を悪化させる

からです。

以前は、とりあえずHbA1cを下げればいいだろうという考えで、治療が行われていました。

現在ももちろんHbA1cは大切な血糖コントロールの指標ですが、食後2時間血糖値を含め血糖の変動幅をより少なくする治療方法に代わってきております。

まさに「血糖値管理は量から質の時代へ」となっているのです。