基本的には眉唾記事だが・・・①
前回の更新で取り上げた週刊現代(6月11日号)に掲載された記事
「ダマされるな! 医者に出されても飲み続けてはいけない薬」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48812?page=8 について、
基本的には眉唾ものだというのが私の認識ですが、
納得できる指摘が2点だけあります。
その2点について、今回と次回で触れてみたいと思います。
今回取り上げるのは血圧の薬に関する記述。
現在、血圧の薬で主流となっているのはARBという種類の薬なのですが、このARBに関して次のように記事には書かれています。
《現在、売れているARBが発売される前、高血圧の治療で主に使われていたのはACE阻害薬というタイプの薬だった。しかし、ACE阻害薬の特許切れが近づき、大きな利益が得られなくなった製薬会社は、次のドル箱としてARBを開発し、それが「新しく、安全で、効果が高い薬である」という大キャンペーンを行った。その結果、医療界では、ARBが降圧剤治療のスタンダードとなったのだ。》
ARBは、血圧を下げるだけでなく、腎臓・心臓・脳に対する保護作用があり、心筋梗塞や脳卒中の予防効果が優れているとされ、爆発的に普及しましたが、実はACE阻害薬にも認められている作用なのです。
唯一の違いはACE阻害薬に空咳の副作用が多くみられる点。
逆に言えば空咳さえなければACE阻害薬で十分な効果が期待できるのです。
しかし、薬価はARBがACE阻害薬の約2倍。
記事に触れられているようにACE阻害薬の特許切れが近づいてきていることもあり製薬会社はARBの宣伝に力を入れるようになって、売り上げを伸ばしていったのです。
ARBは飲み続けてはいけない薬では決してありませんが、本来はここまで売れるような薬ではないことも事実です。