家族性高コレステロール血症
現在の医療で、高コレステロール血症とは、総コレステロール(TC)が高い状態ではなく、悪玉コレステロールと言われるLDL-コレステロールが高い状態のことを指します。
健康診断などでは140㎎/dl以上であれば高コレステロール血症と診断されてしまいます。
通常は日常生活の不摂生が原因なのですが、中には遺伝的にLDL-コレステロールが高い「家族性高コレステロール血症」という方がいます。
200人~500人に1人と割合で見つかると言われていますが、実際に診断されている人は全体の1%に過ぎないそうです。
つまり、通常の高コレステロール血症と診断されて治療を受け続けている方が多いのです。
家族性高コレステロール血症は、LDL-コレステロールが400㎎/dl以上という大変高い値になることも珍しくありません。
他にも、以下のような特徴があると言われています。
・小中学生時代からLDL‐コレステロール値が高い
・薬が効きにくい
・アキレス腱にこぶのようなふくらみがある
家族性高コレステロールは、40代~50代より心筋梗塞などが発症しやすいと言われ、平均寿命も一般の方より10年ほど短いとされています。
その予防のためにも通常の高コレステロール血症より厳しい、LDL-コレステロール値100㎎/dl未満のコントロールが目標となるのですが、ただでさえ薬が効きにくい方が多いので、目標値まで下げることに難渋しておりました。
しかし、今年に入って「家族性高コレステロール血症」の適応を取得した新薬が発売され治療が変わろうとしています。
次回は、その新薬について取り上げたいと思います。