ロングテール
ロングテールとは、「売上数の少ない商品でも種類が数多くそろえれば、大きな売上げにつながる」という意味のマーケティング用語です。
グラフで見ていただくとわかりやすいかと思います。
縦軸が販売数量、横軸が品目とご理解ください。
グラフで見ると長いしっぽのように見えることからロングテールという名前がついたそうです。
インターネットショッピングなどでは、ロングテール理論で売上を伸ばしている企業が多いようです。
しかし、製薬企業ではロングテールとは正反対の売上構成となっている企業が多いのが現状です。
例を挙げれば、以前に更新した「湿布薬は70枚まで」http://frontia.hatenablog.com/entry/2016/06/22/165943
でも取り上げた久光製薬。
久光製薬は、売上の半分以上はモーラステープという湿布薬です。
万が一ですが、モーラステープが副作用などで販売中止となったら潰れてしまうでしょう。
久光製薬ほどではないにしても、どの製薬会社もいくつかのヒット商品で売上を大きく稼いで、企業を存続させているのが一般的です。
ですので患者さんの多い感染症、高血圧、糖尿病、認知症などの薬をこぞって開発し、宣伝合戦を繰り広げているのです。
しかし、製薬企業の中にもロングテールとはいかないまでも、いくつかの主要品目を持ちながら、売上規模を保っている企業も出てきました。
それが、ノバルティスファーマです。
ノバルティスファーマの売上高は約2600億円、売上構成品目は以下のようになっています。
上位10品目がいずれも約100億円以上稼いでおり、こういった構成比は製薬企業では珍しいと言えます。
製薬企業は最近、後発品の影響を受けやすくなっているので、1品目に偏った売上構成だとリスクが高なります。
今後はますます、患者さんの多い領域でしのぎを削るだけでなく、患者さんが比較的少ない領域でもその中でも高シェアを取る製品を複数扱うような流れになっていくかもしれません。
そういった領域にスポットが当たっていくことは患者さんの利益にもつながることだと思います。