飲めれば良い薬だが・・αグルコシターゼ阻害薬
今回も糖尿病の薬について更新します。
今回はαグルコシターゼ阻害薬(αーGI)。
この薬は、主に食後の高血糖を抑える薬です。
主な薬剤は、グルコバイ・ベイスン・セイブルとなります。
詳しく解説をしてみます。
食事によって摂取された炭水化物は唾液や膵液に存在しているアミラーゼにより、二糖類に分解されます。
そして、さらに二糖類は小腸で単糖類に分解されます。
単糖類になって小腸から血液中に取り込まれ、その結果血糖値が上がります。
二糖類⇒単糖類に分解する酵素の一つがαグルコシターゼと呼ばれるものです。
このαグルコシターゼは小腸の上皮部分にあります。
つまり、αグルコシターゼを阻害することで、糖質が小腸全体でゆっくり吸収される状態となります。
これによって、食後の血糖値を押さえていこうというのがαーGIという薬なのです。
αーGIは低血糖を起こす心配が少ないので、比較的使いやすい薬です。
ただ、効果が弱いという点と1日3回しかも食事直前に飲まなければいけないという点が欠点です。
特に1日3回食直前という飲み方はついつい忘れてしまいがちです。
一般の人より薬への関心が高いMRである私でも絶対に忘れてしまうと思います。
実際あるデータでは、服薬率は30%程度しかないようです。
単純に考えると1日1回くらいしか飲めてないという計算になります。
αーGIは約20年前から発売されておりますが、DPP-4阻害薬の登場前にはそれでもけっこう使われておりましたが、DPP-4阻害薬の発売以降切り替えなどが起きて処方数はかなり減っていると思われます。
それでも専門医の先生の中では評価する声も根強くあります。
このブログでも話題にしているように食後の血糖を押さえて血糖変動を少なくするという意味では理に適っている薬です。
ただ、薬はしっかり飲んでもらって初めて効果が発揮されます。
服薬方法がこの薬の最大の欠点なのです。