オーソライズド・ジェネリック
今回はジェネリック医薬品(後発品)についての話題です。
ジェネリック医薬品は、通常先発品の特許が切れてから同じ成分を用いて製造・販売されるお薬です。
先発品と違って開発費用がかからないので安い薬価が設定されており、医療費削減につながるため国が急ピッチで推奨しております。
ジェネリック医薬品に対して、「先発品と同じ成分を用い、効能効果は全く同じです」と厚労省や後発品製薬メーカーは説明しますが、正確に言えば間違いです。
確かに先発品と同じ成分は使っていますが、添加剤などは先発品と違いがあります。
添加剤によって体内での成分の吸収に違いが出ることも有りえます。
ですので、成分が同じだからといって効果が同じとまでは言えないというのが正確なのです。
実際、喘息治療で使用される「ホクナリンテープ」には血中濃度の時間推移が異なるジェネリック医薬品も存在します。
しかし、ジェネリック医薬品の中にも先発品と全く同じものも存在します。
それが「オーソライズド・ジェネリック」(以下AG)です。
「オーソライズド」は、「公認された、許可された」という意味。
AGは、先発品が特許が切れる前(通常半年前)に、他社へ特許の使用権を与え他のジェネリック医薬品に先駆けて発売されます。
先発品と同様の添加剤を用いることはもちろん製造工程なども同じですから、中身は先発品と全く同じ、違うのは外箱だけというわけです。
主に子会社に使用権を与えることが多いようです。
先発品の製薬メーカーとしては他社のジェネリック医薬品に切り替わるくらいなら自前で作ったジェネリック医薬品に切り替えたいという思惑でしょうし、使用する医師にとっても先発品と全く同じなら安心です。
もちろんジェネリック医薬品を普及させたい国も推奨するでしょう。
今後、AGはどんどん増えていくと予想されています。