薬剤総合評価調整管理料

馴染みのないタイトルにしてしまいましたが、今回は今年の4月から導入された新制度についてご紹介いたします。

 

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薬剤総合評価調整管理料は、今年度の診療報酬改定で導入された管理料です。

目的は患者さんの薬の数を減らすこと。

算定できれば医療機関に患者1人当たり250点~300点(つまり2500円~3000円)の収入が入る仕組みです。

具体的には、6種類以上の内服薬(頓服薬を除く)を服用していた患者さんに対して薬を2種類以上減らすことができれば算定ができます。

外来患者だけでなく入院患者にも同様の加算がつきます。

国は医療費削減が命題ですので、患者さんに多くの薬を出すことに歯止めがかかれば医療費が少しでも削減できると考えているわけです。削減できそうなことは何でもやってみるという姿勢です。

 

収入が増えるわけですから、今後医療機関側から薬を減らす提案が増えてくるかもしれませんが、こういった背景があるのです。

ちなみに現時点ではこの管理料を積極的に取りにいっている医療機関は少ない気がします。患者さんの健康に関わることですので、そう簡単な話ではないのでしょう。

 

とはいっても薬を出しすぎる医療機関があるのも事実。高齢者になると10種類以上薬を飲んでいる人も珍しくありません。

薬は相互作用が起きるものも多く、多剤服用で副作用の懸念も増えてしまいます。

薬を減らすことで患者さんの体調が良くなったという話も医師から良くお聞きします。

国や医療機関の思惑は置いといても、多剤服用の問題点を解決できるきっかけとなるかもしれません。