既存の睡眠薬について
先週の更新で新しい睡眠薬について取り上げました。
今回は今までの睡眠薬はどんな薬なのかについて書いてみます。
睡眠薬を服用されている多くの方が今でもこの系統のお薬にお世話になっていると思れれます。
ベンゾジアゼピン系もしくは非ベンゾジアゼピン系と呼ばれる睡眠薬がそれです。
合わせてGABA受容体作動薬と呼ばれることもあります。
2つとも作用メカニズムはほぼ同じで、構造式の違いで名前が分かれております。
非ベンゾジアゼピン系の方が後に出たお薬で、一般的には安全性が高いと言われています。
・ベンゾジアゼピン系睡眠薬
脳にあるGABA受容体に結合し、GABAの働きを強める作用です。
GABAは抑制系に働くので、受容体を刺激することで脳を鎮静化させます。
また、GABAには鎮静作用の他にも抗不安作用、筋弛緩作用などがあると言われています。
副作用的に問題になるのが、筋弛緩作用です。
これによってふらつきや転倒が起きやすくなる点がベンゾジアゼピン系の欠点となります。
また、他にも依存性が強く一度飲むと止められなくなるといった懸念もあるお薬です。
しかし、効果は高く死につながるような副作用も少ないので多くの方に使われています。
具体的な薬剤名としては、ハルシオン・デパス・レンドルミン・ドラール・ロヒプノールなどがあります。
・非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
作用機序は、ベンゾジアゼピン系とほぼ同じですが、安全性が高いと言われています。
しかし、ベンゾジアゼピン系に比べればマシといった程度で、筋弛緩作用や依存性にはやはり注意しなければいけません。
具体的な薬剤名としては、マイスリー、アモバン、ルネスタがあります。
睡眠薬を服用されている方はどうぞご参考に。
近いうちに睡眠薬はもう少し取り上げます。