抗血小板薬と抗凝固薬

今回は、抗血小板薬と抗凝固薬について取り上げます。 どちらも、血液をサラサラにする薬ですが、作用するポイントが違います。 血液が固まる過程は以下の2つがあると言われています。 ①血小板血栓が作られる ②フィブリン血栓が作られる ①血小板血栓に対し…

水しか出さない利尿薬・サムスカ

今回は、利尿薬・サムスカについて取り上げます。 この利尿薬の画期的な点は水しか排泄しない点です。 利尿薬は昔からある薬で、心不全、肝硬変などで体内に水が溜まってしまい心臓や肝臓の働きが悪くなっているときに使い、余分な水分を排泄し負荷を軽減さ…

PCI経皮的冠動脈形成術

循環器医が行う一般的な治療法であるPCIについて紹介します。 PCIとは心臓カテーテル治療のことで、経皮的冠動脈形成術の略語です。 それぞれの用語を解説すると、 経皮的=皮膚を通して治療を行う 冠動脈=心臓に酸素を送る動脈血管 という意味になります。…

心不全治療薬・βブロッカー

今回は心不全治療薬であるβブロッカーについて取り上げます。 製品名でいうとアーチストやテノーミンが主力で使われております。 βブロッカーは、アドレナリン受容体の一つであるβ受容体に作用します。 アドレナリンやノルアドレナリン等(総称してカテコー…

心臓と腎臓のかかわり

今日は心臓と腎臓は位置こそ離れていますが、密接に関連しているという話をいたします。 心不全となり心臓の機能が低下すると、全身の血液のめぐりが悪くなりますので、代償機能として血圧をあげて循環血液量を増やそうとします。 その循環血液量の調節を行…

九州でNo1のうなぎでは??

今日は久々にグルメ情報を更新します。 熊本県の南側に位置する人吉市の「上村うなぎ」です。 地元では超有名店で、九州のうなぎ屋では一番おいしいんじゃないかと思います。 (九州のうなぎ屋を食べつくしたわけではありませんが・・・。) 写真はうな重で…

左心不全と右心不全

心不全と聞くと字面から心臓が動かなくなる=死亡とイメージしている方もいらっしゃるかもしれません。 医学用語ではそうではなくて、「心臓のポンプ機能障害により全身の臓器に必要な血液量(酸素)を供給できない状態」のことを言います。 心臓の収縮機能…

血糖値スパイク②

前回に引き続きNHKスペシャルで放送されていた血糖値スパイクについて取り上げます。 「血糖値スパイク」とは空腹時血糖値やHbA1c値が正常であっても、食後の血糖値が異常に高い状態のことです。 今回は、放送でも紹介されていた血糖値スパイクの対処方法に…

血糖値スパイク①

先日のNHKスペシャルで「血糖値スパイク」のことが紹介されていました。 健診で測定するような空腹時血糖値やHbA1c値が正常であっても、食後の血糖値が異常に高い人が潜んでいること、このような食後血糖値が高い状態が続くことで糖尿病に進展するだけでなく…

そもそも尿酸とは

最近は尿酸値を取り上げた更新をしてきましたが、今回が最後。 そもそも尿酸とは何かについて書きたいと思います。 「尿酸」の材料となるのが「プリン体」です。 尿酸はプリン体を代謝した結果生じる老廃物のことです。 この尿酸が体内に蓄積されると、痛風…

尿酸値低下薬

本日も尿酸値について取り上げます。 今回のテーマは、尿酸値低下薬についてです。 前々回の更新でも触れましたが、 男性で7.0mg/dl以上、女性で6.0mg/dl以上で高尿酸血症と診断されます。 高尿酸血症になると、痛風発作の確率が高くなるだけでなく、CKD(慢…

痛風発作予防薬・コルヒチン

前回に引き続き尿酸値の話題です。 尿酸値が高い状態が続くと痛風発作が起きてしまうことは前回述べたとおり。 尿酸値を下げる薬はいくつかありますが、 痛風が起きてしまった時には尿酸値を下げる薬を服用すると痛風が余計に悪化してしまいますので、注意が…

尿酸値について

今日は健康診断の診断値でもおなじみの「尿酸値」について取り上げてみたいと思います。 「尿酸値高い=痛風」というイメージがあるのではないでしょうか? 痛風とは文字通り風が吹いても痛いと言われ、経験したことある人は悶絶するくらい痛いとおっしゃい…

ED治療薬の現状

今回の更新では、ED治療薬についてまとめてみます。 ED治療薬は血管を拡張することで、勃起状態を保ちやすくする薬です。 尚、ED治療は保険対象ではないので治療薬も保険は効かず自由診療となり全額自己負担となります。 ED治療薬は以下の3種類がありますの…

バカにできないプラセボ効果

「いわしの頭も信心から」ということわざがあります。 たかがイワシの頭でも一旦信じてしまえば有難く思えてくることのたとえですが、 薬の世界でも同様のことが起こります。 「プラセボ効果」とは、偽物の薬であっても患者さんが本物と思って飲むことで、実…

秋の花粉症

しばらく更新がご無沙汰になっておりました。 気分新たに随時更新を行っていきたいと思います。 「花粉症」と言えば春の疾患と思われがちかもしれませんが、実は秋にも花粉症が存在します。 上図のように、春の花粉症の原因となるスギやヒノキは一般的ですが…

ロングテール

ロングテールとは、「売上数の少ない商品でも種類が数多くそろえれば、大きな売上げにつながる」という意味のマーケティング用語です。 グラフで見ていただくとわかりやすいかと思います。 縦軸が販売数量、横軸が品目とご理解ください。 グラフで見ると長い…

重複・相互作用防止加算

このブログでも再三書かせていただいておりますが、国は医療費削減に血眼になっております。 その医療費削減のため、「残薬」つまり患者さんの自宅にある余っている薬を減らすことにも力を入れています。 血圧やコレステロールなど定期的に薬を飲んでいる患…

MRの休暇事情

MRは医師相手の営業ということでストレスのかかる激務だと思われがちなようです。 確かに癖のある医師もいますし、大きな病院担当だと夜遅くなることも結構あります。 しかし、長期休暇となるとかなり恵まれています。 今年は8月11日が山の日でしたが、そ…

乳幼児の予防接種スケジュールが過密

当ブログでも紹介させていただいているように、 乳幼児を対象として様々なワクチンが開発されております。 ワクチンにはよって病気を防げるようになっていることは非常に喜ばしいことなのですが、その一方でワクチン接種のスケジュールが大変過密になってお…

生ワクチンと不活化ワクチン

私の子供のころ、インフルエンザワクチン接種後に小学校の先生から「今日はお風呂に入ってはいけません。体に弱いウイルスを入れているので、インフルエンザになってしまいますよ。」と指導されたものです。 この先生もおそらく勘違いしていたであろう、生ワ…

福岡市・ハンバーガー

東京にも店舗があるようですが、 福岡の「ハングリーヘブン福岡」を今回は紹介します。 福岡市の中心地・天神のやや南の方の地域にあります。 少し値が張るハンバーガー屋さんですが、これが美味しい。 昼どきで行列は出来ていましたが、長時間並ぶほどまで…

定期接種と任意接種の違い

前回の更新でB型肝炎ワクチンが乳児対象として今年10月より定期接種とるという話題を更新いたしました。 今回は、そもそもの話、予防接種における「定期接種」と「任意接種」の違いについてご紹介をさせていただきます。 定期接種について。 定期接種は、法…

B型肝炎ワクチン定期接種へ

本日より更新を再開させていただきます。 引き続きお付き合い、よろしくお願いいたします。 今回は、ワクチンの話題から。 乳児(生後1年まで)のみが対象ではありますが、任意接種だったB型肝炎ワクチンが今年の10月より定期接種となることが決定しておりま…

血清クレアチニン値「血清Cr」とは

診察や健康診断を受けると検査値の表をもらいます。 ほとんどの検査項目がアルファベットで表記されているので、説明を受けないと何がなんだかわからない方が多いのではないでしょうか。 MRでもよくわかっていない方が大勢いますので。 今回は、そんな検査項…

抗がん剤1剤で年間2兆円??

今回は、抗がん剤の新薬を取り上げます。 最近、一般紙やテレビでも広く取り上げられていますので、聞いたことがある方もけっこういらっしゃるかと思います。 その薬は「オプジーボ」。 小野薬品とブリストルマイヤーズ社が共同で販売しています。 免疫チェ…

コレステロールは摂取制限しなくても良い

高コレステロール関連の更新が続いてますので、本日も関連の話題を。 高コレステロール血症の患者さんで、コレステロールが多く含まれる卵や魚卵、レバーなどを控えるように、との指導を受けられた方も多いのではないでしょうか。 未だにこのような指導をさ…

小倉の昼呑み

今回のグルメ情報は、小倉で昼呑みが出来る店をご紹介します。 小倉駅から歩いて5分ほどの立地にある「酒処 十五家」です。 メインは新鮮な魚、味も美味しく、安いです。 そして、開店時間が12:00~23:00と昼から飲めるのが特徴です。 (ランチメニューはあ…

高コレステロール血症の切り札となるか・PCSK9阻害薬

前回の更新で取り上げた「家族性高コレステロール血症」の適応を持った新薬についてご紹介させていただきたいと思います。 「PCSK9阻害薬」という種類の薬で、現時点では「レパーサ」が発売になっており、「プラルエント」がまもなく発売予定という状況です…

家族性高コレステロール血症

現在の医療で、高コレステロール血症とは、総コレステロール(TC)が高い状態ではなく、悪玉コレステロールと言われるLDL-コレステロールが高い状態のことを指します。 健康診断などでは140㎎/dl以上であれば高コレステロール血症と診断されてしまいます。 …